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エゾシカは、北海道に生息するニホンジカの一種で、体が大きく、オスの場合、最大で体長190cm・体重150kgに達します。
乱獲などにより一時は絶滅寸前まで数が減少したものの、禁猟や保護政策により生息数が回復。
今までは雪の少ない釧路・根室地方や十勝地方などの一部にしか生息していませんでしたが、
本来の高い繁殖力と温暖化などの環境の変化により、近年では北海道全域に分布する程その数を増やしています。


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エゾシカの食害による被害の約半数が牧草被害で、牛や豚の餌となる牧草がエゾシカによって食べられてしまい、家畜の乳量減少や餌代の増加が発生しています。また希少植物の被害例も多く報告されており、生態系への影響も懸念されています。
次に問題とされているのが交通・列車事故です。エゾシカによる列車事故は年間2,800件以上も起きています。交通事故によるエゾシカ被害は年間2,000件以上起きており、令和2年度では過去最高の3,500件以上にも登りました。


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北海道では1998年度以降、エゾシカと人間の共生をめざし保護管理計画を策定し、GPS等を使用しエゾシカの個体数管理等の取組を行っています。
近年では狩猟したエゾシカを食用として活用する動きが高まっている他、食肉以外にも角や骨は、雑貨やペットフードに、革はバッグや財布等様々な物に作り変えられ利用されています。
そして、頭数制限での狩猟のため数が限られており、狩猟のタイミングや数量、流通の面などから出回る事が少なく希少性が高くなっていると言えます。


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繊維構造がきめ細かく、手に吸いつくような柔らかさを持ち、財布などの肌に触れるアイテムに適しています。
そして、牛革と比較して軽量で、通気性、保温性、しなやかさを併せせもっています。
使い込むことで、しっとりした風合いと自然な艶が出て、経年変化を楽しむことができます。
繊維が細かく染料の浸透が良いため、染色すると鮮やかで深みのある色合いが得られるのも大きな特徴です。


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野生のエゾシカ由来のため、革には角や枝でできた引っかき傷、虫刺され跡、食害による痕などが表面に残っていることがあります。
牧場で育てられる牛革と違い、人の管理下にない環境で成長するため、こうした痕跡は避けられません。
これらは自然の中で生きた証であり、世界に二つとない表情を生み出す魅力でもあります。
また、生息地や年齢、性別によって繊維の密度や厚みに違いが出ます。寒冷地の厳しい環境で育つため毛並みや皮下脂肪の厚さにも差があり、これが革の質感や加工後の仕上がりに影響します。
均一な工業製品にはない、一点ものの個性と温かみが感じられます。


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本プロダクトでは、エゾシカ革に藍染・墨染・抹茶染といった染色を施し、日本の伝統色と自然素材を融合しています。
野生由来の革のため、キズやシワ、繊維の密度差によって染料の入り方が変わります。その結果、同じ染料でも濃淡やムラが生まれ、一点ごとに異なる独自の表情 が現れます。藍・墨・抹茶といった自然の色は、この個体差をより際立たせ、唯一無二の革製品を生み出します。
日本文化に根ざした染色で甦らせることは、環境保全と伝統の融合を象徴しています。
単なる素材としてではなく、自然と共生し、資源を無駄にしないサステナブルなものづくりのシンボルともいえます。


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藍染め(あいぞめ)は、藍植物から得られる天然染料「藍」を用いて布や糸を染める日本の伝統技法です。
その深く美しい青色は「ジャパン・ブルー」として世界中で広く愛されています。
大きな特徴は、使い込むほどに色が冴え、風合いが増していく「経年変化」の美しさです。また、見た目だけでなく、生地を強くする効果や優れた防虫・抗菌・ 消臭作用を持つことから、古くは武士の肌着や野良着としても重宝されました。自然由来の優しさと、実用性、そして育てる楽しみを兼ね備えた藍染は、日本の 美意識そのものを体現しています。


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日本の伝統的な染めの技術であり、墨を使った染色 方法のことを指します。奈良時代から使われており、仏教寺院や 貴族の中で量を染料に使った染色技術が発展していきました。現在でも和紙や着物、うちわなどの製品によく使われています。 墨染めの特徴はその風合いにあり、墨が染み込んでいくことで、細やかな模様や曇り模様ができ、手作業の繊細さや職人の技術 が引き立つ技法です。墨の濃淡が生み出す無限のグレーの階調と、日本独自の美意識「わび・さび」を感じさせる静寂な美しさです。


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抹茶染めは、日本の伝統文化である「茶の湯」にも通じる、抹茶を染料として用いた技法で、抹茶(茶葉)」から抽出した色素を用いて繊維や革を染める、植物染料(草木染め)の一種です。 お茶の製造工程で出る茶葉の残渣を染料としてアップサイクルしており、「もったいない」という日本の精神と、伝統的な染色技術が融合した、現代に即したエコな染色方法と言えます。出てくる緑は「侘び寂び」を感じさせる、くすみを帯びた優しい色合いが特徴です。見た目だけでなく、お茶に含まれるポリフェノールの一種「カテキン」には、非常に強力な抗菌作用と抗ウイルス作用があります。これにより、雑菌の繁殖を抑え、嫌なニオイを防ぐ効果が期待できます。
